父が亡くなってからの事
私は、母が亡くなったときには、まだ若かったこともあるが、世界が別のものに変わったように思った。
母がいなくなったこの世が、今までの自分の世界と断絶しているのを感じた。
まさに、母のいないこの世は、別世界なのだ。
しかし、父が亡くなったときには、そのようなことは感じなかった。
母も父も予想外に早く亡くなってしまい、空虚感が強いのは同じであるが、母と違って、父が一人になってから、二人だけで、かなり本音で話ができたことが大きかったのであろうか。
父の言葉が心の中でこだまするので、寂寥感は母ほど強くなかったのだ。
そんなことを思うこの頃である。
夢の中でも、父は現在性があるが、母のそれが薄いのは時間の経過が長いことが最も大きい理由であるが、母とは本当に必要な話が出きていなかったのだ。
喪失感が際立って母に感じるのはそれが原因であろうか。